高齢の寝たきり患者や介護を要する患者の増加により、今後、褥瘡の発生件数も増加することが予想されています。
褥瘡は、「治療」だけではなく、その「予防」と「管理」がますます重要となってきており、現在では入院患者に対する何らかの褥瘡対策を行うことは、病院の義務になっています。
eラーニング「褥瘡 基礎・予防編」では、褥瘡に関する「基礎的知識の習得」と「予防の重要性の理解」を目的としており、まず褥瘡の 疫学、有病率、病態、生理学的特徴、問題点を始めとした基礎編を、そして予防編として、アセスメント方法、外力の低減、スキンケア、栄養管理など、看護援助を行う際のポイントなどを学べる構成になっています。
監修者は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会の理事長で 東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 老年看護学/創傷看護学分野の真田弘美教授と、仲上豪二朗講師。eラーニング教材としては初めて、「褥瘡」をビジュアル的に易しく解説しています。
褥瘡についての更なる理解と情報共有のため、eラーニング教材『褥瘡 基礎・予防編』をご活用下さい。
褥瘡管理はこの十年間で飛躍的な進歩を遂げました。それは、褥瘡の発生原因、危険因子、予防法、治療法の科学的解明が、世界中の研究者、臨床家によって強力に進められたからです。また、様々なテクノロジーの進歩もこれに貢献しています。
この進歩により、褥瘡は死の徴候から、予測・予防・治癒可能な疾患に変わりました。一人ひとりの医療者が現時点での最も正しい知識を持つことにより、褥瘡を持つ方をさらに減らせることができるでしょう。
褥瘡管理は看護師だけで行うことはできません。医師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師など様々な職種と協働して褥瘡を有する、もしくは有するリスクのある患者をケアすることが重要です。
そのコラボレーションの最も基本となることは、褥瘡に対する共通理解を持つということです。 このeラーニング教材「褥瘡 基礎・予防編」では、初学者にも理解できるよう、褥瘡を理解するうえでの基本原理に重点を置いて内容を構成しました。 本教材が褥瘡管理の共通理解を普遍化し、一人でも多くの方が褥瘡を持たずに過ごせるようになれば幸せです。
2010年6月
東京大学大学院
教授 真田 弘美
講師 仲上 豪二朗
■『褥瘡 基礎・予防編』は、褥瘡の「病態・特徴」から「疫学や有病率」を理解してから、 さらに具体的な「問題点」や「予防」までを学習できる構成になっています。
■ビジュアルで学べる構成になっているため、初めて褥瘡を学ぶ方にもお勧めです。
■褥瘡の「予防」の考え方がよく分かった。
■動画による説明のため、特に「発生機序」や「除圧」が理解しやすかった。
■予防の実際が具体的で分かりやすい。
■褥瘡の基礎を把握するには最適。
■要点が整理されていて学習しやすかった。
第1章 目次
(1)はじめに-褥瘡対策・予防の重要性
第2章 目次
(1)褥瘡の定義
(2)わが国での褥瘡有病率
(3)褥瘡の好発部位
第3章 目次
(1)皮膚の構造
(2)褥瘡の発生機序
(3)褥瘡の発生要因
第4章 目次
(1)疼痛
(2)感染
第5章 目次
(1)褥瘡を予防するためには
(2)皮膚の観察
(3)リスクアセスメント
(4)予防介入の原則
(5)外力の低減(除圧)
(6)スキンケア
(7)栄養管理