鹿児島市医師会病院

「セーフマスター退院支援システム」稼働により見えてきたもの

-医療の質向上につながる退院支援システム
1.鹿児島市医師会病院:255床
2.平均在院日数:一般12.5日
3.退院支援に関わる加算:退院支援加算Ⅰ取得
4.セーフマスター退院支援システム稼働によるメリットについて
-4月1日から稼働

医療連携相談室  室長  前畠 氏
医療連携相談室
 室長  前畠 氏
事務部 医療情報室  主任   本坊 氏
事務部 医療情報室
 主任   本坊 氏

 鹿児島市医師会病院 医療連携相談室は、平成26年度より退院支援の充実を図るため多職種の協力のもと、退院支援システムの構築と運用に取り組んで参りました。全入院患者の中から退院支援困難となる事例を3日以内にどのように抽出するかが課題でありました。
 まずは、医療連携相談室MSW・退院調整看護師が過去2年間介入した患者の特徴を絞り込み、相談室介入リストとして病棟へ情報提供しました。3段階のスクリ-ニング・アセスメント・マネイジメントが出来るよう、入力窓口を作り運用して参りました。電子カルテ内での展開が出来ない事から、医療連携相談室・病棟看護師間でも情報共有に時間がかかり、他職種が閲覧しにくいという問題もありました。今回、当院の退院支援システムの流れに沿った、退院支援管理システムの導入(※)で、下記のような点が改善されたと感じております。鹿児島医師会(図1)

※一部機能はカスタマイズにて実装しております

①入院患者を3日以内にスクリーニングし、退院支援困難要因を持つ患者の抽出が、電子カルテ上で行えるようになり、
 病棟毎の退院支援困難者リストの作成・配布を担っていた、退院調整看護師の業務が激減しました。
鹿児島医師会(図2)
鹿児島医師会(写真3)
②一段階~三段階までのスクリーニング・アセスメント・マネジメントを行う病棟看護師が、電子カルテからシステムで
 確認できるようになり情報整理が容易になりました。
③退院支援システムを段階的に進めることで、患者に必要な支援が特定され、社会的資源を投入できるようになり、
 退院支援の質向上に繋がりました
鹿児島医師会(図3)
④TQMシステムで感染・褥瘡・NSTなどの多職種の介入状況が患者毎に把握できる為他職種との連携がとりやすく、
 他施設への情報提供も行いやすくなりました。
⑤退院支援システムの稼働により医療連携相談室・病棟・多職種との情報共有が進み、退院支援の取り組みを
 他職種で行いやすくなりました。
鹿児島医師会(図4)
⑥システム稼働による効率化がすすみ、患者・家族との面談、カンファレンスに時間が確保でき、
 在宅医・訪問看護師・介護支援専門員等との連携強化に繋がりました。
鹿児島医師会(写真4)
⑦退院支援に関わるカンファレンスを区分化した事で、加算の算定漏れの減少に繋がりました。
⑧カンファレンス毎に話し合う項目の見出しが表示される事で、在宅に向けて確認しなければならない内容が
 記載されるようになりました。